舞台は近未来の連合国家「Occident」の首都モノポリス。
この都市は地上と地下部分に分かれ高度に発展している。その一方ですむ人々は、どの都市でもそうであるように画一化され、都市の孤独の中に生きている。(「Monopolis」)
現在「オキシダン」にはテロの嵐が吹き荒れている(「Il
se passe quelque chose」)。その中心は、Johnny と Sadiaに率いられた「闇の星」と呼ばれるヒッピー集団であった。(「Quand on arrive en ville」)
テレビではキャスターのCristal が、今夜も彼らのテロ行為を報じている。それを見ながらアンダーグランドカフェのウェイトレス Marie-Jeanne
は、観客に「闇の星」のこと、そして自分のことを話すのだった。(「Travesti」・「La Complainte de serveuse automate」)
折しも街は大統領選挙のまっただ中、テレビでは人気番組「スターマニア」の中で、Cristal が、大統領選挙に出馬を表明した大実業家 Zero
Janvier の独占インタビューを行っていた。彼は政治スローガンを語り、自分の業績を誇りながらも、本当はアーティストになりたかったという心の内を語る。(「Le blues du businessman」)
一方 Marie-Jeanne は、この番組にでることが夢だという一人の青年のことを語りだす。彼の名は Ziggy。 彼女は、彼に対する思いをうちあける。しかし彼は、音楽以外頭になく、しかも男の子の方が好きなよう。叶わぬ恋を悲しみながら、それでも彼に夢中だと彼女は言う。(「Un garcon pas comme les
autres」)
一方Ziggyは今日もMarie-Jeanne の言うようににぎやかな場所で仲間と歌いおどっている。(「Un enfant de la pollution」)
ある日久しぶりに Ziggyがカフェにやってきた。いままで「スターマニア」に送るオーディションの手紙を書いていたという彼を、Marie-Jeanne
はからかう。Ziggyは手紙に書いた自分の人生を彼女に話すのだった。(「La chanson de Ziggy」)
「僕は有名なロックスターになりたいんだ」(モガドール以降版・それ以前はロックドラマー等)という Ziggy。そのために「スターマニア」に出演すると。
しかしカフェに現れた「闇の星」。彼らは Ziggy をこづき回す。そして Sadiaが冷たく告げる。「番組にでるのはお前じゃない、Johnny だ。」実は Sadia は裏から手を回し、謎に包まれた「闇の星」のリーダー(Johnny)とのカフェでの独占会見という大スクープを条件に「スターマニア」への出演を Cristal との間で決めていた。
インタビュー当日自分の生い立ちを語る Johnny。 (「Banlieue nord」)
しかしその最中に「闇の星」がまた大事件を仕掛ける。なんとインタビュアーのCristalを襲い、誘拐監禁してしまう。この知らせはニュースで速報され、奇しくも Zeroの政見放送を中断してしまう。
その一部始終を見ながらMarie-Jeanne は呟く、「なんて茶番。 Cristalは誘拐されたんじゃない、むしろ Johnnyと逃げたのよ。」(「Discours electoral」)
実際、物事は彼女の言うとおり進んでいく。監禁されていた Cristal は決まり切った「バラ色の人生」から逃れたかったという。
彼女は Johnny こそが自分を変えてくれると思っていた。
そんな彼女にふれて、自分もそれまでの人生を変えるために今の生き方を選んだJohnnyは、彼女への愛情を抱き、そのいましめをといてやる。二人は恋に落ちた。(「Coup de foudre」)
モノポリス、見えない明日と孤独の中、彼らはそれぞれの未来を夢見る。(「Monopolis(reprise)」)
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