「カナダ」の語源は、原住民の言葉で「kanata」。
 この言葉を今回の旅の途中で知った時、不思議な感覚に襲われました。もちろん意味はまったく違う言葉ですが、日本語では「彼方」、そう、遠い遠いところ・・・。それは私がまさしくめざそうとしているところ。遠く遠く、私が今までいったことのない地上の最北端。


    [1] 最北端 


■ 彼方への旅

 ブリュノのUn monde a l'enversツアーの2004年の日程が発表になった時、私はすでに4月10日の分のチケットを手にしていました。11月に行われるはずだったコンサートの日程がこの日に変更になり、チケットは再発売となっていたのです。その時点では他の日程は公表されていなかったけれど、その前後にコンサートというのは充分期待できました。4月だったら春だし、寒くないし、なにしろ2003年4月にブリュノを見てから1年がたつことになってしまう。1年以上ブリュノを見なかったら窒息してしまうかもしれない・・・。

 そして4月のツアー日程の発表。10日から少し離れていたけれど、なんと15~17日まで3日間連続でコンサート!おおおお、これを逃す手はない・・・!
 けれどじっくり地図を見てみると、この15〜17日は毎日長距離を移動、しかも北へ北へ・・・北緯50度の街まで。
 カナダの大半が日本より北に位置する上に、そのケベックでも北のほう(もっと北の地域もたくさんありますが)、そして毎日移動・・・。寒がりで体力不足の私は、正直、「やめよーかな・・・」と思いました。
 しかし、そういうハードな日程をブリュノ自身がこなすのに。ファンの私が嫌がっていて、どうする?ツアーのハードさを知るのも、ファンとして大切なことではないだろうか?それに、たとえ3日でも毎日ブリュノのコンサートを見るというのは、夢の旅行じゃありませんか。

 ブリュノのコンサートがなければおそらく一生行かないような土地。きっと、いろんな発見があるに違いない・・・そういう期待も込めつつ、行こうと決心。ああでもお願いだから、寒くありませんように。

■ いよいよ 

 今回は何のトラブルもなく出発の日を向かえ、いよいよ大阪ーバンクーバー便に。直前にリコンファームしたら「あまりいいお席ではありませんので、いい席に変えておきますね」とエア・カナダのおねーさんが向こうから言ってくれた通りのいい席、前方スクリーンもよく見えます。

  私は時差を調整するために、飛行機に乗った瞬間から現地時間に合わせて行動します。つまり、バンクーバー便では寝なくちゃいけない。でも・・・寝られないー!ふと上映中の映画が何気なく目に入り、気が付くと、ハリウッド映画のはずなのに舞台はどうやら東京らしい(寝ようとしてるので、音声なしで途中から見ただけですが)。そのうち舞台は京都に入り、あれ?大阪も?

 んまあ、これって「日本ってこんなんだよー」と外国の方に教えるのにちょうどいい映画じゃないの。ブリュノにぜひとも見て欲しいものだわ〜〜と思いつつ、タイトルは帰りの便でチェックしようと寝る努力に専念(という割にはほとんど一睡もできず・・・)。 


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「彼方へ」 1

Bruno Pelletier Japan