[2] 修行僧のごとく |
さて、そこからは、入り口の外でただひたすら「待ち」の態勢。 それでも最初はみんな適当に着た順にたたずんでいて、早々に着いていた私たちはブリュノのリハーサルの声が漏れてくるのを味わいながら(笑)、結構余裕の気持ちで待ってました。 ところが、5時くらいになって、係りの人がいきなりだいぶ離れたところに柵を作り、そこが「待ち」場所となったのです。みんな走っていったけど、最初の列はぐちゃぐちゃ〜〜、待っていた順番もぐちゃぐちゃ〜〜〜。まあ、そういうことはある程度予想していたけど・・・。 しかし、この柵の中が、別にそこまでギューギューする必要もないのに人口密度がものすごく高くて、かばんに入れてる水も取り出せないくらい・・・。体をほとんど動かすことができず、本当に本当に疲れ果てました。昔の古傷(ただの手術跡)も痛み出す。滝に打たれる修行僧のごとき心境。苦しんだだけの浄土(=楽園)が待っている・・・はず・・・。 この6時間近くに及ぶ苦行も、後で知り合いに語ったところで、「こんなに待ったんだよ〜〜」「大変だったのね〜〜」の一言で済んでしまうのね・・・(こんなに苦しいのにぃぃぃ)。もしかしたらこのままパリの路傍の石と成り果てるかもしれない・・・などと、思考がずいぶんマイナーになる。 6時くらいに開場するかとみんな期待していたけど、結局開いたのは7時半くらい。入り口で係員が「何人?」と聞いてチケットを枚数分受け取り、そのグループごとに案内してくれたので、中へ入ってから押し合いへし合いのダッシュ、というのはなくて済みました。その辺はよろしい。 案内された席はセンターブロックの3列目、右端から2番目。ケベックでのツアーに行った人の話では、左よりがいいという話だったけど、まあここでも充分、充分。寒風に吹かれる修行僧をした甲斐があったというものだわ。 |
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パリで一緒に 2